シリコン半導体の微細化限界の到来に伴い、機能と構造に高い自由度を持つ分子が、次世代デバイスの構成材料として期待されています。
分子をベースにするナノスケール分子デバイスを実現するためには、デバイスの構成要素となる分子開発、1個の分子デバイスの特性評価、デバイスを創るプロセス技術の開発を、出口を見据えて研究する必要があります。
このような研究は、分子設計、合成、計測評価の一貫研究開発でしか生まれません。
しかし、現状は、優れた要素研究が行われているものの、お互いに融合することはなく、これがナノスケール分子デバイス開発の大きな障壁となっています。
そこで、本研究グループでは、ナノスケール分子デバイスに向けて、量子化学、有機化学、無機化学、物理化学、表面化学、ナノテクノロジーを精力的に展開している若手研究者を一堂に集め、議論の場を提供することにより、各要素研究の融合化を推進し、ナノスケール分子デバイスを実現する研究基盤の形成を模索します。
また、ナノスケール分子デバイスの学理となる単分子科学が、新研究領域を形成する可能性を探ります。